なるほど

いつも行く床屋さんへ行った。床屋激戦区と時間帯の関係もあるが理容師さんもお客さんも全員老人という今の日本の縮図のような床屋さんだ。いつもカットをお願いするチビ太みたいなお爺さんは、僕の顔は覚えているが何を話したのか殆ど覚えていないので毎回同じ話と質問で場を盛り上げてくれる。一転、隣の席でカットするおじいさんはいつも一言も喋らず黙々と仕事をしている。しばらくしたら珍しく年配の女の人がやって来た。ちょうど空いた隣の席にその女の人は案内された。おしゃべりなチビ太さんは早速食いつき、その女の人に話をし始めどんな髪型にしたいとか色々聞き始めた。さすがに隣の担当なのに失礼だな~と思っていたら、身振り手振りで隣の寡黙なおじいさんに説明し始めた。そのおじいさんは「あー、うー」と返事をしカットが始まった。その時始めて隣のおじいさんは耳が聞こえず口もきけないないことを知った。チビ太さんはその人の通訳のような役割をしているらしい。鏡越しにそのお爺さんが床屋代金を受け取るのを見ているといつも大げさにボティータッチをしていたので年齢の割には何か不自然だな~と思っていたけどそういう事だった。運よく楽ばっかりして生きている自分は襟を正さないといけないとちょっと思った。